亜鉛欠乏症とは?
亜鉛欠乏症は、体にミネラルの亜鉛が十分にない状態を指します。 亜鉛は、体内で作ることができない「必須微量ミネラル」で、筋肉、骨、皮膚、肝臓、脳、腎臓、毛髪、消化管や膵臓などさまざまな組織に存在しています。成人の体内におよそ2g存在し、鉄の次に多い微量ミネラルです。
亜鉛は、体内に300種以上ある酵素を正常に働かせるために必要不可欠なミネラルで、アミノ酸からのタンパク質やDNAの合成といった細胞を新しく作る作用にも関係しており、とくに妊娠中、小児期、青年期の正常な成長と維持に欠かせない栄養素です。
他にも、亜鉛には免疫力機能、生殖器機能、毛髪や肌の健康に保つ働きがあります。
亜鉛欠乏症になるとどのような症状が出るの?
通常の食事をしているだけでは、不足になりがちな「亜鉛」。亜鉛は体内のたくさんの仕組みに関与しているため、亜鉛の欠乏はさまざまな症状を引き起こすと言われています。亜鉛欠乏症の人は、次のような症状が現れやすくなります。
脱毛
湿疹やかゆみなどの肌トラブル
爪の異常(横線が出る・かけやすい・もろい)
食欲がわかない
慢性的な下痢
体重減少
イライラ・情緒不安定・うつ症状
生殖機能の低下(インポテンス)、精子の減少、性欲の減退
免疫力の低下
貧血
眼精疲労・視力低下・目の痙攣
風邪をひきやすい
傷が治りにくい
身長が伸びにくい
味覚障害
嗅覚障害
骨粗しょう症
亜鉛欠乏症は、最初は湿疹のように見える皮膚の変化を引き起こす可能性があります。 皮膚にひび割れや光沢のある外観が見られる場合があり、口、おむつ部分、手の周囲によく見られます。 発疹は保湿剤やステロイドのクリームやローションを使っても改善しません。
亜鉛欠乏症の原因は何ですか?
一日に必要な亜鉛を食事から摂取できない人もいます。 タンパク質は体が亜鉛を吸収するのを助けるため、ベジタリアンやビーガン、長期にわたって食事制限をしている人はリスクがより高い可能性があります。 食事制限を受けている子供や、6 か月以上母乳だけで育てられている赤ちゃんも亜鉛欠乏症になる可能性があります。
亜鉛欠乏症は、高齢者や腸疾患を患っている人など、栄養素の吸収に問題がある人に発生する可能性があります。 一部の薬は、尿からの亜鉛の損失を増加させる可能性もあります。
新生児が未熟児だったり重度の病気だったり、母親が軽度の亜鉛欠乏症だった場合、新生児が亜鉛欠乏症になることがあります。 生まれつき亜鉛欠乏症の人もいます。
亜鉛欠乏症はどのように診断されるの?
もし亜鉛欠乏症である可能性があると思われる場合は、一度医師の診察を受けることをおすすめします。 血液検査が行われることもありますが、軽度の欠乏症の人の場合、数値に表れないこともあります。
亜鉛欠乏症を診断する最良の方法は、亜鉛サプリメントで症状が改善するかどうかを確認することです。 あなたやあなたのお子さんが亜鉛欠乏に関連する疑いのある皮膚トラブルを抱えている場合、サプリメントを摂取してから3、4日で症状が治まり始めることがあります。(必ず使用量や飲み方を守ってください)
亜鉛を摂りすぎたらどうなるの?
サプリメントなどの誤った利用によって、亜鉛を過剰摂取した場合、下痢や嘔吐を引き起こし、銅や鉄などの他の必要な栄養素を妨げ、貧血や銅欠乏を招いたり、HDLコレステロールの低下を引き起こす可能性があります。
亜鉛の1日に必要な量(推奨量)は、成人男性では10~11mg、成人女性では8mgです。医師の指示がない限り、1日あたり男性40mg(女性は35mg)を超えないように気をつけてください。
亜鉛不足は何を食べたら予防できますか?
亜鉛不足を解消するためには、まず亜鉛を多く含む食品を食べることです。抜け毛が気になる、味を感じにくい、肌が荒れやすい、おなかの調子が悪いなど、亜鉛不足を感じる方は、亜鉛を多く含む食材を積極的に摂るとよいでしょう。
亜鉛を多く含む食品には魚介類、肉類、藻類、野菜類、豆類、種実類があります。